看護系の仕事といえば、「正看護師」や「准看護師」が最もスタンダードな資格であり、一般人からするとそれ以外の看護系の資格としては「助産師」「保健師」くらいしか思いつかないかもしれません。
しかし、実際に看護系の仕事をしている人であれば知っているはずですが、様々なキャリアアップとなる資格や病院内でのポストがあり、それを実現できれば収入も格段に上がっていきます。
看護師として働き始めたばかりの人や、まだ数年程度のキャリアしかない人の場合は、まだそういったことを考える余裕がないかもしれませんが、将来のことを考えると、「キャリアアップの仕方」は覚えておくべきだと言えるでしょう。
この記事では、そんな「看護師におけるキャリアアップの仕方と転職への影響」について解説していきたいと思います。
看護師のキャリアアップの仕方
それではまず、「看護師にどのようなキャリアアップが存在するのか?」といった疑問を解決していきましょう。
主任看護師
スタッフナースを何年か経験していき、十分な実績と信頼を勝ち取ることができれば、「主任看護師」に昇格することができます。
一般的な企業で言うところの課長や係長と同じような立ち位置となります。
「副師長」と呼ばれることもあります。
看護師長
主任看護師としての役割を十分にこなしながら何年も信頼を積み重ねていくことで「看護師長」にステップアップすることができます。
一般的な企業で言うところの部長と同じような立ち位置となります。
副看護部長、看護部長
「副看護部長、看護部長」は、主に15年以上の経験と実績が必須で、看護スタッフの不満を軽減させるだけでなく、患者さんやご家族からのクレームの対処などにも対応しなければなりません。
看護師長にも上記のような業務がありますが、副看護部長の場合にはさらに大きな責任と目標達成の周知、経営への参画、人事や労務の管理などの面での仕事もあります。
まさに看護キャリアの「頂点」とも言える役職なのです。
主なキャリアパスやそれに必要な資格
マネジメント要素が強い役職者とは別に、看護師として2つのキャリアがあります。
①スペシャリスト
看護師の資格取得後、病院やクリニックなどで勤務しながら「スペシャリスト」を目指していきます。
特定の分野における専門的な知識やスキルを習得した看護師である「スペシャリスト」を目指します。
スペシャリストになるためには、「専門看護師」や「認定看護師」などの資格取得が必要です。
専門看護師は、看護全体のスペシャリストで、「がん看護」や「精神看護」「老人看護」「小児看護」「慢性疾患看護」「感染症看護」といった13分野のスペシャリストとなります。
この資格を取得するには、実務経験が5年以上あり看護系大学で専門看護師教育課程を修了していて、さらに認定審査に合格しなければなりません。
非常に難易度の高い資格で、全国でもおよそ3,000人程度しか存在しません。
合格後は5年ごとに更新することになります。
これに対して「認定看護師」は、がんや呼吸器疾患、乳がん、糖尿病、感染管理など19の認定看護分野において「実戦、指導、相談」といった役割を担う人材です。
実務経験5年以上かつ認定看護師教育機関でのカリキュラムを修了することで取得することができます。
専門看護師よりも難易度が低く、全国に約22,000人程度存在します。
病院によっては、取得のための費用補助や学習期間の給与の支払いがあるところもあります。
②ジェネラリスト
ジェネラリストは、特定の分野に捉われず幅広い業務を高い水準でこなせるような人材です。
公的な資格はありませんが、現場においては非常に頼もしい存在となることができます。
役職者になるor資格を取得することで転職も有利に
もしも勤務している病院やクリニックなどで、「転職したいな」と感じた時、前述した役職や資格を持っていると非常に転職が有利になる可能性があります。
確かに働きながら資格の勉強を行いスペシャリストやキャリアアップを目指すのは難しいですし、ジェネラリストになるのも多くの努力が必要となります。
しかし、確かなスキルを身につけることで、収入や労働環境、役職といった面でさらにステップアップできる可能性が広がるのは間違いありません。
そのためにも、ただ毎日の業務をこなすだけでなく、個人としてのスキルUPも少しずつ進めていきましょう。
まとめ
今回は、「看護師におけるキャリアアップの仕方と転職への影響」について解説してきました。
看護師の資格を取得した後は、看護スタッフとして何年か勤務することになりますが、主任看護師や看護師長といったキャリアアップを目指す方法もあります。
また、専門看護師や認定看護師などの資格を取得し、スペシャリストとして活躍することも可能ですし、ジェネラリストとして頼れる存在になることも可能です。
いずれにしても、個人のスキルを高めることで転職なども有利になるので、無理のない程度にスキルUPをしていくべきだと言えるでしょう。
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