少子化の日本においてとても重要な役割を担っている産婦人科ですが、そこで働く看護師はその他の病院やクリニックとはまた違った適性が求められます。
小さな命と女性を守る役割を担うため、仕事内容についても特殊であると言えます。
看護師として働く人の中には、産婦人科での看護業務に興味を持っている人もいるはずです。
この記事では、そんな「産婦人科の病院やクリニックでの仕事内容と向いている看護師の特徴」について解説していきたいと思います。
産婦人科の病院やクリニックでの仕事内容
産婦人科では、主に「産科」と「婦人科」の仕事に分かれます。
産科の仕事内容
「産科」では、主に妊娠や分娩に関する仕事を行います。
採血や点滴管理、入院時には妊婦の身の回りのケアなども行います。
産前産後の妊婦さんのケアは、バイタルチェックや診察の補助を行いますが、体調面はもちろん精神的な面もケアします。
母乳に関する相談や乳児の扱いに関する相談を受ける機会も多くなります。
授乳の他にも、沐浴やおむつ交換に関する相談を受けるケースも多いと言えます。
また、出産の際の助産介助も行います。
ただし、助産介助は必ず医師の判断が必要となり、自身の判断だけではできません。
助産師の場合は、自身の判断で助産介助が可能です。
婦人科の仕事内容
「婦人科」では、女性の悩みに対応していく仕事となります。
基本的なバイタルチェックはもちろん、検査の準備や診察介助、生活指導、患者さん自身やそのご家族へのフォローなどを行います。
近年では、子宮筋腫や子宮がん、卵巣がんといった女性特有の病気が増えていますし、不妊治療を行う女性も増えています。
また、若年層の女性に多いのですが、ストレスや過度なダイエットによって生理不順に陥るケースも急増しています。
婦人科では、上記のように様々な症状の女性の看護業務に対応していく形となります。
産婦人科の看護師の年収
産婦人科で働く看護師の年収は、およそ400万円~500万円となります。
これは一般的な病院やクリニックで勤務している看護師とそれほど変わらない額となっています。
夜勤のある施設かどうか、残業の有無などによって年収は大きく変わります。
産婦人科の病院やクリニックでの勤務に向いている看護師
産婦人科で働く看護師に向いているのは、以下のような人です。
思いやる気持ちを強く持っている看護師
看護業務は全般的に「思いやる気持ち」が重要となりますが、産婦人科では特にその部分が重要視されます。
患者さんにはホルモンバランスが崩れている人が多いため、精神的な浮き沈みが激しくなります。
さらにお産に関しては、流産や死産といった場面に立ち会うことも多くなるため、患者さんに寄り添う看護が必要となるのです。
感情をコントロールできる看護師
前述した通り、産婦人科では出産の喜びや流産、死産といった悲しみなど様々な場面に遭遇します。
寄り添いながらも看護師として一線を引いて仕事をあたりますが、どうしても精神的な部分で影響を受けやすくなります。
喜びや悲しみに過度に影響されると、精神的な浮き沈みが激しくなり、安定した看護業務ができなくなってしまいます。
それゆえに、感情をコントロールするのが上手い看護師に向いているといえるのです。
イレギュラーにも対応できる看護師
看護の仕事の中には、ルーティーン化されやすい職種もあります。(精神科や透析クリニックの看護業務など)
しかし、産婦人科での看護業務は、ルーティーン化する仕事もありますが、イレギュラーに発生する仕事も数多くあります。
特に産科での看護業務は、出産や入院中の母子の体調変化など、イレギュラーだらけとなります。
それゆえに、突発的な問題にも冷静に対応できる看護師が適しているのです。
産婦人科の看護師の主な働き先
産婦人科の看護師が働く職場は、いくつか種類があります。
総合病院
総合病院では、一般的な出産の他に帝王切開や無痛分娩といった比較的難しい症例に対応することが多くなります。
出産や手術、治療など、かなり忙しい勤務先となります。
産科クリニック
産科クリニックは、基本的には一般的な分娩を対応することが多くなります。
高級感のある施設となっているクリニックも多く、看護業務を含めて質の高い対応が求められます。
レディースクリニック
レディースクリニックでは、分娩などは行っておらず不妊治療や人工授精、体外受精といった専門的な治療の看護を行います。
まとめ
今回は、「産婦人科の病院やクリニックでの仕事内容と向いている看護師の特徴」について解説してきました。
産婦人科での看護業務は、一般的な看護業務とはまた違ったスキルが求められます。
患者さんの精神的な浮き沈みが激しくなりがちですし、イレギュラーも多い仕事となるため、精神的な強さや臨機応変さが必要不可欠だと言えるでしょう。
「女性や赤ちゃんの力になりたい」と強く思える看護師さんは、ぜひ産婦人科への転職を検討してみてはいかがでしょうか?
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