世の中には「介護老人ホーム」と呼ばれる介護老人福祉施設がありますが、そこには介護士だけではなく看護師も働いています。
看護師というと、病院やクリニックなどで勤務しているイメージがありますが、介護の分野でも活躍しています。
しかし、介護の分野では、介護士がメインとなっているため、看護師がどのような業務を担当しているのか想像つかない人もいるはずです。
この記事では、そんな「介護老人福祉施設での看護の仕事内容と向いている看護師の特徴」について解説していきたいと思います。
介護老人福祉施設とは
介護老人福祉施設は、介護を必要とする65歳の高齢者専用の施設です。
①介護が必要な65歳以上の高齢者に対して日常生活援助を行う「特別養護老人ホーム」
②65歳以上の身体的、精神的理由によって一般的な生活が困難な人が入所する「養護老人ホーム」
③上記の老人ホームよりもリーズナブルな利用金額で日常生活の援助が受けられる「軽費老人ホーム」
④24時間スタッフが常駐し、介護サービスが受けられる「介護付き有料老人ホーム」
⑤自立度は高いが生活支援サービスが付いている「住宅型有料老人ホーム」
介護老人福祉施設は主に上記の5種類に分かれます。
ただし、③については、介護サービスの提供がなく食事提供がある「A型」、介護サービスなしで食事も自炊する「B型」、軽度な介護と食事の提供がある「C型」に分かれています。
介護老人福祉施設での看護の仕事内容
それでは、ここからは具体的に介護老人福祉施設における看護業務の内容を挙げていきましょう。
・高齢者のバイタルチェック
・服薬管理
・感染症の蔓延防止
・看護記録の記入
・経管栄養の実施
・通院の付き添い
・介護職員への指示
・インスリンの管理や投与
・吸引
・ストーマの管理やケア
・褥瘡の処置
出勤後は全入居者のバイタルチェックを行います。
これまで通りの食事が可能なのか、入浴が可能かといった判断を行っていきます。
介護がメインとなる施設なだけあって、医療看護の業務はほとんどなく、介護や日常生活の補助業務が多くなっています。
清掃や食事、排泄、入浴の介助は介護士が担当しますが、看護師が補助するケースも多くなるため、介護の知識やスキルも必須と言えるでしょう。
日常生活やレクリエーションの中で各入所者の行動や言動をチェックし、認知機能のチェックを行うことも必須です。
24時間体制の施設では、当然ながら遅番や夜勤といった業務も行う必要があります。
また、施設によっては「オンコール(健康状態が急変した際などにスタッフに伝える)」があるケースもあります。
介護老人福祉施設で働く看護士の年収
入院施設のある一般病院では、450万円~550万円程度の年収が標準ですが、介護老人福祉施設で働く看護師の年収はそれよりも若干低く、400万円~450万円程度となります。
これは、医療看護業務が少ないといった点が影響していると言えます。
夜勤のない施設であれば、400万円を下回る可能性もあります。
介護老人福祉施設での勤務に向いている看護師の特徴
ここからは、どのような看護師が介護老人福祉施設での勤務に向いているのかを挙げていきましょう。
介護に関するスキルや知識がある看護師
介護老人福祉施設での勤務では、バイタルチェックや服薬管理など、医療看護業務もありますが、食事や入浴介助やレクリエーションといった買い越しに近い業務を行う時間も多くなります。
それゆえに、「医療看護以外のスキルや経験があまりない」といった看護師には少々厳しい状況となるはずです。
医療看護のスキルと共に、介護に関するスキルや経験を有している看護師は、非常に適性が高いと言えるでしょう。
夜勤やオンコールに対応できる看護師
看護師の中には、子育てや親族の介護をしており、夜勤が難しい人もいます。
また、肉体的に夜勤が難しい人もいることでしょう。
そのため、ある程度夜に強く、レスポンスの良い独身の看護師に向いていると言えるかもしれません。
コミュニケーション能力の高い看護師
介護老人福祉施設での看護業務は、高齢者の入所者さんとコミュニケーションを取りながら進めていく仕事となります。
そのため、コミュニケーション能力は必須であると考えられます。
特に高齢者との会話に慣れている看護師は、向いていると言えるでしょう。
まとめ
今回は、「介護老人福祉施設での看護の仕事内容と向いている看護師の特徴」について解説してきました。
介護老人福祉施設には5つの種類がありますが、そのどれもが医療看護業務以外の介護や生活補助などの業務が多めとなります。
それゆえに、医療看護業務しかしてこなかった人は苦労する可能性があります。
もしも介護老人福祉施設での看護の仕事に転職したいと考えているのであれば、ある程度介護についての知識やスキルを習得しておくべきだと言えるでしょう。
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